鏡音レン (Kagamine Len)
Lakeside
ある日の空の高さに水はゆらめき
雨もない凪のなかでかすかにはじける

露をまとう木々に
甘い蜜の色
明日には残せない
想いも言葉も乾いてしまう

羽ばたく鳥を映して水がゆらめく
飛べない人も羽を負う淡海のほとり

遥かな街の記憶は屋根に滴り
日暮れゆく部屋でひとり地図をただなぞる

絹を解いた糸に
いくつほつれ跡
昨日には戻せない
ありしも過ぎしも流れてしまう

古びた艪を繕いて今日も更けゆく
漕がない舟が波打つ淡海のほとり

飛べない人も羽を負う
淡海のほとり