Kalafina
むすんでひらく (Musunde Hiraku)
手のひらのくぼみに
君がくれたものを
まだぜんぶ乗せたままで
最後の駅をもう過ぎた筈の
錆びたレールを辿って
君と僕が出会うことが
夢見ていた未来の全てと思っていた
重ねた指と指が透き通るから
僕らはこころを結んだ
君が泣いていたのはやわらかい過去
消えない繋がりの音楽
一人じゃないと初めて知った
瞳を開いた
大事な音がある
胸の中の細い糸に触らないように
選ばれた記憶の
色の無い絵の具で君の絵を描いた
あの夏の日
光の入り江で
二度と行けない場所で待ち受けている
約束はまだずっと守られたまま
風に揺れる梢を
ただやさしく
支えている