梶浦由記 (Yuki Kajiura)
それは小さな光のような (Sore wa Chiisana Hikari no Youna)
オトナになるってきっと
優しくなる事だと信じていた
子供の頃の
僕のままに
オトナになるってきっと
優しくなる事だ
と信じていた
子供の頃の
僕のままに
君のこと
壊したいと思う
世界は夢の狭間で
黒い祈りを孕んで
大事なものだ
と撫でていた
優しい指がね
じれてゆく
僕はただ
僕のために
力なきこの手を
微かな輝きの方へ
もがいてみる
君の歌う未来へ
導いてよ
どの部屋の時計も
少しズレていてさ
僕らはいつも
言葉を掛け違う歯車
ひとりぼっちで泣いた
ヒーローごっこ
伸ばす前にくじけた
両手で君の
頬に触れた
君のこと
壊したいと思う
世界は夢の狭間で
黒い祈りを孕んで
大事なもの
だと撫でていた
優しい指
がねじれてゆく
僕はただ僕
のために
力なきこの手を
微かな輝きの方へ
もがいてみる
君の歌う未来へ
導いてよ
守りたいと思う
まぎれもなくあたたかい場所が
あることを信じてる
寂しさに
喰われた優しさが
白い雪に埋もれて行く夜
君は僕の
胸に小さな火を灯す
古い傷跡のようで
微笑んでよ
この世界の暗闇から
目覚めてゆく光のような
君のうた
僕だけが見てた
君のこと……