鬱P (Utsu-P)
天使だと思っていたのに (I thought I was an angel)
周りのみんなと同じ天使だと思っていた
肌の色、輪の色、瞳も同じだった
取り柄にすらなりえない「当たり前」をこなせる
周りのみんなと同じ天使だと思っていた
誰に習ってもいない賛美歌を歌って
誰に習ってもいない飛び方で飛んでいる
じわり開いてく差に
なんの疑いも持たずに
周りのみんなと同じ天使だと思っていた
何度も励まされ
何度も肩押され
一聞いて十を知れと教わった
出来ない 出来ない
みんな歩いている 遠ざかってゆく
ああ ふと気づいたらもう
やりたい事は そんな大層じゃない
置いてかれずに ただそこに居たい
ああ そんな当たり前が出来ない
天使は制服を脱ぎ
背広上下に着替え
誰に習ってもいないのに暮らしている
正しい「暮らし」が出来ず
いつも散漫な仕事ぶり
周りのみんなと同じ事が出来なかった
神様の設計ミスか
それともどっか落としたか
一聞いて十を知れと怒鳴られた
出来ない 出来ない
みんな歩いている 遠ざかってゆく
ああ ふと気づいたらもう
見たい景色は そんな大層じゃない
日曜18ロク時台のアニメくらいのもの
ああ そんな当たり前が出来ない
なあ 想像つくかい
飛べない事 歌えぬ事
やり方は分かっているのに
鉛みたいに身体が動かない事
湿気た羽 ばたつかせ
ほこり撒き散らして
天使だか羽虫だか分からなくなって
それなのに心臓は勝手に動いている
腹も減る 欲も湧く
金が要る 金が要る ただ
暮らしたい 暮らしたい
出来ない 出来ない
みんな歩いている 遠ざかってゆく
ああ ふと気づいたらもう
過ごしたい人生は そんな大層じゃない
働き 遊び たまに愛されたい
ああ そんな当たり前が出来ない
周りのみんなのように生きられると思っていた