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[インタビュー] 東京からトロントへ:ビッケブランカ (Vickeblanka) の北米ツアーと世界的な音楽的影響力に迫る
取材・文: Genius Japan & Isabella Slant | 翻訳 @Ryuforstorm @RuiRui3 | 3月28日, 2024好調な滑り出しを見せた飛躍の年、現在最も注目されている日本人アーティストのビッケブランカは、バンクーバー公演を皮切りに、ニューヨーク公演まで、自身初の北米ツアーを行いました。今回の独占インタビューでは、海外のファンとの出逢い、そして最新EPアルバム『Worldfly』の作曲過程などについて、ご本人にお話を伺いました。── Genius Japanのインタビューに時間を割いていただきありがとうございます!まずは簡単な自己紹介からお願いできますか。
ビッケブランカ : 皆さんこんにちは、ビッケブランカです!日本出身のシンガーソングライターで、以前はピアノやギターを弾いたり、ステージでDJをしたりしていました。NGはありませんので何でも聞いてください。どんな質問にもお答えしますよ!
── 北米ツアーをやり遂げたばかりですね!日本や他の国と比べて、ここアメリカやカナダでの公演はいかがでしたか。
ビッケブランカ : これまでにない感情に気付かされて、とても新鮮でしたね。日本と北米では、リアクションに大きな違いがありました。日本では、バラードのイントロが始まると、会場は静まり返ってお客様は聴くことに集中します。でも北米でバラードを演奏したときは、どの会場でも皆さん大きな歓声を上げてくださって!自分にとってはまったく新しい経験で、それがとても嬉しかったです。
── 日本語は英語とは全然違う言語なのに、今回の北米ツアーでは全曲の歌詞を知っているファンも大勢いましたよね。日本語が解らないために生じる距離感を音楽を通じて埋めることで、ファンとの絆を更に深めていったという感じでしょうか。
ビッケブランカ : 面白いですよね。ほとんどのファンの方は楽曲の意味を理解していないけど、理解しようとしてくれるからとてもありがたいなと思います。完璧ではないかもしれませんが、日本語の歌詞の意味を理解しようとしてくれているんです。一緒に歌いたいと思ってくださることは、とても素敵だし感謝の気持ちでいっぱいです。
── ツアーの数カ月前にEPアルバム『Worldfly』をリリースしましたね。『Sad In Saudi Arabia』や『Luca』といった曲が、ご自身のヨーロッパや中東への旅からどのようにインスピレーションを受けたかについて触れていらっしゃいました。幅広いラインナップを組み合わせて1枚のアルバムにまとめるという試みだったのですか。
ビッケブランカ : これが自分のスタイルですね。曲を作るときはあまりジャンルには拘りません。サウジアラビアとイタリアを訪れたのですが、滞在中はたくさんのインスピレーションを受けました。そうですね、ただアイディアが聞こえてきて、そのアイディアに従うだけというか。そんな風にシンプルで自然なプロセスです。
── 次のリリースで、アメリカからインスピレーションを受けた曲が聴けるなんてこともあるのでしょうか。
ビッケブランカ : もちろんです。今回の北米ツアーは自分にとってとても印象的なものでしたし、新しい音楽を作るためのアイデアがどんどん湧いてきましたね。
──人気アニメシリーズBlack CloverのOpening 3で"Black Rover"、Opening 10で"Black Catcher" を演奏したことで、あなたの音楽を初めて耳にしたファンも多いと思います。このような機会はどのようにして生まれたのでしょうか?
ビッケブランカ :まずOpening 3についてお話しますね。漫画の原作者は、主題歌を書いてくれる素晴らしいアーティストを常に探しているんです。そして『Black Rover』では、彼らのチームの一人がラッキーにもSpotifyかどこかで私を見つけてくれ、私の事務所であるAvexにコンタクトを取ったきてくれたのです。私は『少年ジャンプ』の大ファンだからもちろん書きたいと思いましたよ!それで決まったんです。
Opening 10はそういう風にはいきませんでした。チームがOpening 10のためにアーティストを探しているというニュースは聞いていたんですが、向こうからは話がなくて。彼らが日本の音楽業界で新しいアーティスト探しているというニュースを聞いて、自分から電話したんです。
「”Black Rover "お好きですよね?あの曲のSpotifyでの再生回数知ってますか?僕が曲を作れば、完全に再生回数のトップに躍り出ますよ。だから僕を選んだ方がいいですよ」ってね。
1回目はとてもラッキーでしたが、2回目のチャンスは自分で掴んだんです。
──原作漫画のファンでしたか?それが曲作りのアプローチにどう影響しましたか?
ビッケブランカ :アニメの雰囲気に入り込むようにしています。例えば、Black Cloverーは魔法があって、パワーがあって、戦いがあります。そのアニメの中に自分と自分の心を置いて、感じるようにします。その感覚と雰囲気をつかんで演奏しています。ピアノ、ノスタルジックでミステリアスなサウンド、そしてBlack Cloverシリーズのパワフルなギターを感じて、そのスタイルで書きました。
──ジョイントベンチャーといえば、今後コラボしてみたいアーティストはいますか?
ビッケブランカ :そうですね、アメリカやカナダにいるみんなをリスペクトしています。Charlie Puthはすごく好きだし、 Panic! At The DiscoのBrendon Urie、フランスのMadeon もいいですね。すべてのアーティストの名前を挙げるのは本当に難しいな。あとは"In the Heights"を書いたLin-Manuel Mirandaかな。
──ジニアス・ジャパンは、著名なアーティスト達が最近どんな曲を聴いているか興味あります。最近、個人的なプレイリストに追加した曲はありますか?
ビッケブランカ : (携帯をスクロールしながら)これは有名な曲ですけど、MAXの "Checklist"ですね。
──初めてあなたの音楽を聴いてみたいと思う人にお勧めの曲は何ですか?
ビッケブランカ : うーん、それは難しいですね。日本文化とロックが好きなら、まず"Black Catcher" を聴いてみてください。でも、スタイリッシュなシティサウンドとダンサブルなトラックが好きなら、"Snake" ですね。
──では最後にジニアス・ジャパンの読者や海外のファンに向けて一言お願いします。
ビッケブランカ : この北米ツアーは自分をよりクリエイティブにしてくれたし、たくさんの幸せを与えてくれました。だからみなさんにはお礼を言わないといけないと思います。でも、僕は何でもできる人間じゃない。僕にできるのは音楽を作ることだけ。みんなからインスパイアされた新曲をプレゼントしますので待っていてください。次の北米ツアーで一緒に楽しみましょう!
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── ビッケブランカさん、今日はお忙しいスケジュールの中、お話しをありがとうございました!ビッケブランカ公式SNSのフォローも、お忘れなく!
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