RADWIMPS
独白 (Dokuhaku)
[RADWIMPS「独白」歌詞]

昨日は話が出来て良かった
考えて見れば思い出話なんて俺たちあんまりしないから
かといって未来を語るわけでもないし
つまりいつでも今の話ばっかりで
今何を作りたいかばっかりで
俺にはそれがちょうどいい
でも昨日久々に昔の話をしてつくづく思ったよ
俺たちは何をあんなに信じ切ってたんだろうね
なにも疑わず365日音を鳴らし続けてたんだろうね
なにも知らなかっただけなのかな
それだけだったのかな

8年前いつも電車賃さえギリギリで
スタジオは安いからって深夜の5時間パックに入った
初めてのおんぼろ車はレコーディング帰りの朝の15号線上で煙を吐いて死んだ
初心者マークを付けて
道路上で立ち尽くすあまりに無力なその車に浴びせられる
クラクションと冷たい視線
日産 パルサー
君の意志を僕たちは忘れないよ

初めての給料が振り込まれるって
作りたてのカード持って新横浜のコンビニに4人で行った
ドキドキしながらATMをぐるっと囲んで
入金を確認すると思わず店んなかでバンザイして叫んだんだ
1万5千円だったけど初めて認められた気がした
何をやってんだって後ろ指刺されて生きてたような気がしてたけど
それが嫌だったわけじゃないけど
でも嬉しかったんだそんな始めてもお前らと一緒だった
あの時あの時期お前らは何を思ってた?
多分同じ気持ちだったって勝手に思ってる
一緒に同じ時間をくぐりぬけてくれて ありがとう
先なんて何にも見えなかった
いつまでに何をどうしてどうなってそんなの知らない誰も言わない
それが暗黙のルールだった
根拠のない自信それだけで十分だった
俺たちにあるのはそれだけだった
どんだけちっぽけな光でも
光だったら何百倍も大袈裟に受け取った
たまに真面目な顔した現実がこっち見て笑うんだ
そんな時は全速力で逃げた 知るかって
どこの世界にもあるであろう常識
あたりまえ
この世界もそんな物の宝庫だった
中にはいつまでもくすぶるための教科書なんじゃないかって思えるものもあった
目を見開いて大事なもんだけ握って
あとは2秒で捨てた

俺たちは泣き虫だ
どこだろうが誰がいようが何かにつけて呆れるくらい泣いた
なりたい自分が向こう側にいて
なれない自分が目の前にいた
小さな自分を守りたくて
不甲斐なさに潰されそうで
世界にたった4人だけみたいなあの小さなスタジオの中で心が擦り切れるまで話をした
たった一つのコードたった一つのリズムに何十時間何日とかけて
スタジオに入っても音も出さず帰る日もあった
八つ当たりして蹴飛ばしてわめいて怒鳴っていなくなって探して
はっと我に返って何なんだよ俺たちって笑えてきて
そんでまた泣いた俺一人だったら到底生きられなかった
嘘に浸ってたこんなに勇気を使えなかった
使い方も知らないままだった
一人で見るにはとてもじゃないけど大きすぎた
4人で見たからほんとになった
あの時話してたこと覚えてる?
俺は気持ち悪いくらい覚えてる
リズム コード メロディその音楽を作り出すたった3つの言葉がどこまでも無限に感じた
そしてレコーディング
録音して残すというその意味を語った
俺たちから生まれた曲は自分たちの命よりもずっとずっと長く生きるんだ
うちらが消えてなくなった後も俺たちの意思はこの世界に残るんだ
俺たちの言葉を話し続けるんだ何百年後も
そんな大それたことを大真面目に話した
そんな1音をたったひとつの音を鳴らそうって決めたんだ


あなたは僕らの瞳です
俺らはしょっちゅうグニャグニャ迷うけど
そんな時あなたはまっすぐな目を頼ります
どこを見てるんだろう
あなたが見てるその先を目指します
あなたは変わった
とても優しく強くなった
そんな変化もこんな近くで見れて嬉しいです
この前くれた大切な言葉
あれは僕の誇りです
死ぬまでずっと大事にします


あなたが僕らの体です
怠け者のうちらの中で
一人続けることをあなたは止めない
不器用で 一途で 優しい
この4人の根っこはあなたで動きます
見えない所で何を思い 何と戦ってるんだろう
そんなことを考えます
たまには見えるところで浴びてほしい
好きに甘えて見せてほしい
大丈夫だよって言わせてほしい
ネジが外れたあなたも好きです

あなたは僕らのハートです
元気にしてますか?
まっすぐ晴れた気持で今日も生きてますか?
もしそうならきっと俺らもそうだから
あなたの心がそのまま俺らのハートです
良いも悪いも堂々と生きろ
逃げるな 言い訳を探すな 下じゃない前を見ろ
俺が言えるのはそれぐらい
後はたくさん教わった
初めて言うけど何度も救われたから
笑った顔のあなたが好きです

あなたたちは僕の誇りです
俺にとっては奇跡です
あなたたちだけが知る俺がいるでしょう
そんなことがたまらなく嬉しいです
嬉しいです
いつも緊張する
世界で一番最初に曲を聞かせるあの瞬間
でもこれからも変わらず聞いてほしい
俺が作った曲を世界で誰よりも最初に聞いてほしい

昔話は終わり
また作ろう
また始めよう
みんなと