​amazarashi
或る輝き (A Certain Radiance)
粘着質な夜明け 底なし沼と星空の類似
観測地点における寒波の去来 親不孝通りの吐瀉物の染み
捨て鉢なエンジン音の個人タクシー 残響と共に襟を立て、立ち去る季節
行くも行かざるも虚しいまま 湖面に不時着する落葉  断定的な微笑み
網膜 拡散 悲しみ 悲しみ

(上昇と同時に墜落する肢体 住宅街の夕景のささくれ
果たせぬ願い 明日への展望 来訪する季節
ついに出発しなかった旅路 あの日、あの時のあの子の微笑み
後部座席に思い出、遺失物 悲しみ 悲しみ)

或る特定の期限における爆発的な命の輝き 瞬き
疾走とはつまり燃え落ちる衛星の輝き 瞬き
もっと沢山の歌詞は
肢体がバラバラになっても 痛みが炎と朽ち果てても
存在した 存在した 輝き

屈折したエゴが結ぶ実像 環状線、囚われの身の泊地の精神性
体育倉庫の堅い地面に裂傷 深夜一時にこだまする執行猶予的な笑い声
潰れたガソリンスタンドに横付けされた侘しさ 利他的な憤怒
日々、暮れていく感性 相対的な幸福 省略された人間性
病巣 雑音 悲しみ 悲しみ

(遮光カーテンに真夜中の染み 空白を埋める為の慣性運動
ぼたぼたと滲んでいく鼻血 遮断された生活の孤立
はためく企業の旗と不良カラス 自覚のない自堕落
死んでいく感性 値札の付いた幸福 間接的存在否定
虚言 悲しみ 悲しみ)